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面談記録の書き方と管理方法|自治体福祉現場のケースワーカー実務ガイド

自治体 業務効率化

自治体の福祉担当者が支援対象者との支援対象者との面談のたびに作成する面談記録は、支援の継続性と説明責任を担う重要な公文書です。生活保護、生活困窮者支援、障害福祉、高齢者介護など、担当領域によって記録の目的や様式は異なりますが、「正確な事実の記録」と「支援の継続性の担保」という本質は共通しています。

「何をどこまで書けばいいのか」「引き継ぎのたびに記録の質がバラバラになる」—そんな悩みを抱える福祉担当者は少なくありません。

面談記録は単なる業務日誌ではなく、支援判断の根拠となり、行政監査にも耐えうる公文書です。だからこそ、記録の質が支援の質に直結します。

本記事では、各領域の特徴を踏まえた記録の書き方・管理方法・デジタル化のポイントを実務に即して解説します。

持続可能なケースワーカー体制の実現については、こちらの記事をご覧ください。

自治体ケースワーカーの人材確保と定着率向上 ― 組織改革で実現する持続可能な福祉体制

面談記録とは何か:福祉現場における位置づけ

面談記録とは、支援対象者との面談で確認した事実・状況・対応内容を時系列で文書化した公文書です。担当者の交代、行政監査、不服申立てにも対応できる記録が求められます。

生活保護の訪問記録、障害支援の相談記録、高齢者の訪問調査記録—名称や様式は異なっていても、その役割は共通しています。

面談記録には主に3つの機能があります。1つ目は支援の継続性の担保で、担当者が変わっても対象者の状況や支援方針を引き継げます。2つ目は説明責任の文書化で、どのような判断に基づいて対応したかを証明します。3つ目は支援の振り返りで、対象者の変化を時系列で把握し、次の対応に生かします。

記録の質が低いと、異動後の引き継ぎに時間がかかり、対象者に不利益が生じることもあります。現場の忙しさの中でも、記録の基本を押さえておくことが重要です。

領域別にみる面談記録の特徴と主な種類

福祉分野の面談記録は、担当領域によって記録の頻度、目的、対象者が異なります。領域ごとの特徴を理解することで、記録の優先度と書き方の判断がしやすくなります。

以下の表は、主だった4領域の面談記録を比較したものです。

領域 主な記録種別 主な対象者 記録の特徴
生活保護 訪問記録、実施記録 受給世帯 原則年2回以上(状況により月1回以上も可)
生活困窮者支援 相談受理、支援計画面談 相談者全般 初回から継続まで多段階
障害福祉 認定調査、相談支援記録 障害者、家族 複数の支援計画の根拠
高齢者・介護 訪問調査、包括支援記録 高齢者、家族 多機関連携が前提

生活保護:定期訪問が義務づけられた高頻度の訪問記録

生活保護のケースワーカーは、受給世帯への年2回以上(状況により月1回以上)の訪問を義務づけられており、その都度、訪問記録(実施記録)を作成します。

健康状態、家族状況、収入、就労状況といった生活実態に加え、指導・助言の内容と本人の反応も記載が求められます。保護の要否判断や廃止・変更の根拠になるため、事実の正確な記録が特に重要です。

生活困窮者自立支援:初回の相談から継続支援まで

生活困窮者自立支援窓口では、初回相談から自立支援計画の作成・更新に至るまで、複数回にわたる面談記録が必要です。

相談者のニーズが多様なため、記録には経済的困窮の背景にある課題(健康、家族、就労など)を多角的に記載することが求められます。支援の方向性を関係機関と共有する際の基礎資料にもなります。

障害福祉:複数の支援計画の根拠となる記録管理

障害福祉では、障害支援区分の認定調査記録や相談支援専門員との協議記録が中心となります。サービス担当者会議の記録も重要で、複数機関が同席する場合は議事録形式で作成されることもあります。

記録はサービス利用計画、個別支援計画双方の根拠となっており、どの面談がどの計画の根拠になっているかを明確にしておくことが求められます。計画の変更や更新の際にも、面談記録が判断の裏づけとして機能します。

高齢者・介護:多機関連携を前提とした記録

地域包括支援センターや福祉事務所の高齢者担当では、要介護認定にかかわる訪問調査記録や家族を含めた相談対応記録が主な業務です。

ケアマネジャーや医療機関との連携が前提となるため、他機関との情報共有を意識した記述が重要です。記録が複数の専門職に読まれることを想定し、専門用語を適切に使いながら、誰が読んでも理解できる内容を心がけます。

面談記録の書き方:押さえておくべき基本ルール

面談記録は「事実」と「判断・対応」を分けて記載します。主観的な評価より具体的な観察事実を優先し、一文を短く保つことで、読みやすさと信頼性が高まります。

記録に含めるべき5つの基本項目

  1. 実施日時と場所:訪問日時・場所(自宅・事務所など)を正確に記録します。
  2. 対象者の状況:健康状態・生活環境・家族の様子など、観察した事実を具体的に書きます。
  3. 聞き取り内容の要点:支援判断にかかわる情報を抽出して記載します。会話の全文記録は不要です。
  4. 対応・指導の内容:今回の面談でどう対応し、何を伝えたかを明記します。
  5. 次回の方針・予定:次回訪問日や予定されるアクションを記載し、支援の継続性を確保します。

よくある記録ミスとその改善

最も多いミスはあいまいな表現です。「元気そうだった」という記載は主観的で、後から読む人には状況が伝わりません。「外出が週3回以上できていると本人から聴取」と書くことで、具体性と客観性が増します。

次に多いのが対応内容の記載漏れです。状況の記録だけで終わり、何を指導・助言したかが抜けていると、担当者交代後に方針が不明瞭になります。「指導・助言した内容」と「本人の反応」をセットで記録することを習慣にしましょう。

また、記録のタイミングも重要です。複数件の訪問が続くと後回しになりがちですが、時間が経つほど記憶が薄れます。訪問直後にメモアプリや音声入力で一時記録し、事務所で清書するフローが現実的です。

面談記録の管理方法と保存期間

生活保護関連書類の保存期間は処理完結から原則5年以上です。電子管理への移行により、検索性・引き継ぎ効率が大幅に向上しますが、個人情報保護の対策が欠かせません。

紙管理の限界とデジタル移行のメリット

紙の記録票は、保管スペースの確保・ファイリングの手間・紛失リスクといった問題を抱えています。担当者が変わるたびに膨大なファイルを確認する作業は、現場の大きな負担となっています。

電子管理に移行することで、対象者名や日付・キーワードでの即時検索が可能になります。担当交代時の引き継ぎも、システム上で記録を共有するだけで完結します。入力フォーマットを統一すれば、記録の質のばらつきも抑えられます。

聞き取り調査をデジタル技術で効率化する方法については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

自治体の聞き取り調査を効率化するデジタル技術 ― 生活保護・福祉相談の精度向上へ

導入において注意すべきポイント

デジタル化を進めるうえで最初の壁となるのが、庁内の合意形成と運用ルールの整備です。どの部署が主導するか、紙との並行運用をいつまで続けるか、職員研修をどう実施するかを事前に整理しておくことで、導入後の混乱を防げます。

システムが稼働しはじめたら、次に重要になるのがアクセス権限の設定です。誰でもすべての記録を閲覧・編集できる状態は個人情報保護の観点から問題があるため、部署・担当者ごとの権限設定とアクセスログの管理を心がけることが重要です。

保存期間と法的要件

行政文書としての面談記録は、各自治体の文書管理規程に基づいて保存期間が定められています。生活保護関連の記録は処理完結から5年以上の保存が一般的です。

電子記録の場合も、改ざん防止措置と真正性の担保が求められます。また、記録に含まれる個人情報は、目的外利用の禁止・適切な廃棄を徹底し、個人情報保護法および自治体条例に準拠した運用が必要です。

面談記録の課題を解決するAIナビ「AiBou」

NTTデータ関西が提供するスマート面談AIナビ「AiBou」は、訪問面談・聞き取り調査をAIがナビゲートし、音声のテキスト化と記録の自動生成により、担当者の負担を大幅に軽減するシステムです。

「記録を書く時間がない」「記録が不十分で引き継ぎに苦労する」-これらは福祉現場に共通する課題です。AiBouはこうした現場の声から生まれた面談支援ツールです。

面談中の会話を自動で音声テキスト化するため、担当者は対象者とのコミュニケーションに集中できます。「何を聞くべきか」に意識を向けられることで、聴取の質そのものが高まります。

AIが聞き取り項目をナビゲートすることで、経験年数にかかわらず漏れのない聴取が実現します。面談後は入力内容をもとに記録の下書きを自動生成するため、清書にかかる時間も大幅に短縮されます。

生活保護・生活困窮者支援・障害福祉・高齢者介護などの各領域に対応しており、記録の標準化が進むことで引き継ぎの負担も軽減されます。


AiBouの開発ストーリー、および導入事例のインタビュー記事もあわせてご参照ください。

まとめ:記録の質が支援の質をつくる

面談記録は、現場の忙しさのなかでは「面倒な義務」と感じられることもあるかもしれません。しかし、質の高い記録が積み重なれば、それは対象者を守るための確かな資産になります。

担当領域にかかわらず共通するのは、事実を具体的に・判断の根拠を明確に・次の支援につながるように書くという基本姿勢です。この原則を現場に根づかせることが、組織全体の支援の質を高める第一歩です。


デジタル化やAI活用に関心のある方は、AiBouの機能をぜひ一度ご確認ください。記録業務の負担を減らしながら、支援の質を高める取り組みをはじめてみませんか。まずはお気軽にご相談ください


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